第1回 W杯と少年サッカー(1)(Text by 鈴木哲夫)
2002年の日韓(韓日?)W杯まで後10ヶ月となりました。W杯自体はどこで開催されたって、眠い目をこすりながら見続けている自分としてみれば、やはり地元で開催されるのですから昼間のオンタイムで見たいものですが、なかなかチケットは手に入りそうもありませんし、簡単に会社を休む訳にもいかない。
結局、昼間会社に行っている間の試合はビデオに撮って、夜自宅に帰ってから見ることになり、翌日は睡眠不足で眠い目を擦りながら会社に行く、というW杯モードはそんなに変わらないのではないのかな、と今から半分諦め気味の今日この頃であります。

さて、2002年の6月なのですが、日本サッカー協会から「W杯期間中の公式戦自粛」の通達が各地域協会、都道府県協会に回っています。つまり、W杯の期間中はすべてのカテゴリにおいて「公式大会」を避けて、W杯を観て下さい、という事です。
川崎市の場合、丁度この時期にはかわしん杯が行われています。大会のやりくりは本当に大変になるのですが、我々が生きているうちに日本でW杯が開催されるのは多分これが最後ですので、やはりW杯を優先し、サッカーに関わるすべての日本人がホストとして世界中の人達をもてなし、また、自分達も4年に1度の世界のお祭りを堪能すべきでしょう。日本協会の判断には私も大いに賛成します。

・・・とは言いながら、実際にはなかなかチケットが手に入らない状況です。でも、試合を競技場で見られなくともW杯を堪能することは出来ると思っています。例えば横浜国際で試合が開催される時には、その雰囲気を子供達に味わわせるためにも競技場の周りをうろついたりしてみると本当に良い経験になるでしょう。いろいろな国の人達がお祭りモードで騒ぎまくっている姿や、自国のカラーにフェイスペイントをして、国旗を振り回している姿とか、普段日本にいては絶対見られない光景が展開されているはずです。

サッカーが単なる1スポーツではなく、文化の域にまで達している国々があること、W杯を見る為に4年間一所懸命働いて遠い極東の島国まで来る人達がいること、それらの人々の情熱に支えられて世界のサッカーが発展していること・・・。
最近のコマーシャリズムとしてのサッカーとか、フーリガンに代表される悪しき側面はとりあえず置いておいて、子供達には是非素晴らしい世界のサッカーの雰囲気を味わってもらい、そして教えてあげたいものです。「サッカーってすごいんだよ!」って。


運良くチケットが入手できて、子供と一緒に試合を見られることになったら、その雰囲気と、素晴らしいプレーを是非是非子供達と共有し、一緒に楽しんでみて下さい。「あんなプレーができたらなぁ」とか「こんな雰囲気の中でサッカーをしてみたいなぁ」とか、何でも良いのですが、子供達が刺激を受けて、より積極的にサッカーに取り組む気持ちになってくれれば大成功です。
そういった刺激から、良い選手が育って行くものだと思います。

(この項つづく)

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